Daily Post dec 2 2025JP: Difference between revisions
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|title=[translate:Collabora Officeのプロダクト戦略転換]|オンラインとデスクトップの融合で進化するオフィススイート | |||
|description=[translate:Collabora社が発表した「Collabora Office for desktop」は、オンライン版と同一のUIを持つ新しいデスクトップ向けオフィススイートです。LibreOffice技術を基盤に、Java依存を排除し、高速・軽量・プライバシー重視のユーザー体験を実現します。Classic版との違いや技術的背景、今後のロードマップを紹介。] | |||
|keywords=Collabora Office, オープンソース, デスクトップ, LibreOffice, オンライン編集, プライバシー, OSS, Java不要, RPA, 企業導入, データ主権, Officeスイート, UI統合, Web技術, Flatpak | |||
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==Collabora Officeのプロダクト戦略転換== | |||
[[File:Collabora-logo.png|frameless|right|upright=0.3|alt=Collabora Online|link=https://www.collaboraonline.com/]] | |||
Collabora社が、オフィスソフトのユーザー体験を大きく変える新しいデスクトップ版「Collabora Office for desktop」を発表しました。これは、同社の主力製品である「Collabora Online」のインターフェースと機能をそのままローカル環境(Windows、macOS、Linux)に持ち込んだもので、オンラインとデスクトップ環境で一貫した操作性を実現します。 | |||
この新バージョンの導入は、Collaboraの製品ラインにおける大きな一歩です。従来からのローカルインストール版、すなわち「オフライン」で利用されてきたLibreOfficeに似たバージョンは、今後「Collabora Office Classic」として提供が続けられます。 | |||
==オンラインとデスクトップの体験を統合== | |||
新しいCollabora Office for desktopの最大の売りは、Collabora Onlineと完全に同じルック&フィールを提供し、作業環境を問わず一貫した体験を保証することです。Web上での編集も、デスクトップでのオフライン作業も、機能や操作方法に違いはほとんどありません。 | |||
この一貫性は、全プラットフォームで共通のコードベースを使用することで実現されています。HTML、JavaScript、CSS、WebGL、CanvasといったWeb技術を基盤とし、それらをOSのネイティブブラウザエンジンで描画する仕組みです。これにより、視覚的な統一が図れるだけでなく、ユーザーはオンラインとオフラインの切り替え時に、別の操作を覚え直す必要や機能の違いを気にする煩わしさから解放されます。 | |||
==技術的土台:Web技術 vs. LibreOfficeコア== | |||
新デスクトップ版とClassic版は、ともにLibreOfficeの技術を中核に据えていますが、ユーザー体験や技術的な裏付けには明確な違いがあります。 | |||
Collabora Office Classic:エンタープライズの信頼を支える伝統的な選択肢 | |||
Collabora Office Classicは、従来のLibreOfficeエンジンとVCLベースのインターフェースを採用しており、長年のユーザーにはおなじみの操作感です。このバージョンには、Javaが必要なBaseデータベース機能や、BASIC、Python、UNOスクリプトなど、包括的なマクロサポートが含まれます。 | |||
Classic版は、企業やプロフェッショナルな環境向けに最適化されており、長期サポート(LTS)が提供されます。特に、大規模なスプレッドシート計算や高度なマクロ編集といった複雑で負荷の高いタスクに必要とされるフル機能を備えており、豊富な設定オプションとメニューを持つことから、専門的な用途で信頼されています。 | |||
==Collabora Office Desktop:シンプルさと起動速度を追求した代替案== | |||
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一方で、新しいCollabora Office Desktopは、Javaへの依存を意図的に排除しています。その結果、インストールがよりクリーンで軽量になり、起動速度も向上しました。インターフェースはモダンで洗練され、タブ構造や直感的なツールバーなど、よく利用される機能に焦点を当てた、見つけやすいUI要素で構成されています。 | |||
この新デスクトップ版では、初期段階として、Baseデータベースやマクロの作成・編集ツールなど、一部のレガシー機能は搭載されていません。ただし、既存のマクロの実行はサポートされており、これまでのドキュメントワークフローとの後方互換性は保たれています。この製品は、MicrosoftのOOXMLやODF(Open Document Format)といった主要な文書規格との互換性を維持しつつ、高速かつ安定、プライバシーを尊重したオフライン利用を求める一般ユーザーに適しています。 | |||
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! 項目 | |||
! Collabora Office Desktop (新規) | |||
! Collabora Office Classic (従来) | |||
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| '''ユーザーインターフェース''' | |||
| Web技術を利用したモダンで統一的なデザイン | |||
| VCLベースの伝統的なUI、カスタマイズ性が高い | |||
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| '''Java依存''' | |||
| なし(導入が容易で軽快) | |||
| あり(一部高度な機能で必要) | |||
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| '''インストール''' | |||
| 軽量で自己完結型。アップデートサイクルが速い | |||
| フル機能で、設定・構成オプションが豊富 | |||
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| '''マクロ機能''' | |||
| 作成・編集機能は'''非搭載'''だが、既存マクロの'''実行は可能''' | |||
| 完全なマクロ編集・作成、高度なスクリプト機能を提供 | |||
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| '''主要ターゲット''' | |||
| オンラインとの統一性、プライバシー重視の一般・ビジネスユーザー | |||
| パワーユーザー、企業、フル機能と高度な設定を求める層 | |||
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==プライバシー、オープンソース、データ主権へのこだわり== | |||
両製品に共通するのは、プライバシーとデータ主権を最優先する姿勢です。新しいデスクトップ版はオフライン・ファースト設計を採用しており、ドキュメントはユーザーが明示的に共有しない限り、デバイスから外に出ることはありません。完全なオープンソースであるため、隠されたスパイウェアの心配がなく、データのコントロールを重視するユーザーを支援します。 | |||
==ロードマップと将来的な展望== | |||
Collabora Office Desktopは、まだ開発の初期段階(アーリーステップ)にあり、現在はコミュニティ評価版として、Windows、macOS(ARMのみ)、Linux(Flatpak経由のx86_64)で提供されています。本格的なエンタープライズサポートは、製品の成熟に合わせて今後計画されています。 | |||
Collabora社は、ウェブ版とデスクトップ版のアップデートを同期させ、バグ修正や機能改善が全てのユーザーに並行して届くことを目指しています。 | |||
同社は引き続き、二製品体制を維持する方針です。Collabora Office Classicは、重負荷のタスクや専門的な要件を持つユーザー向けの信頼できる選択肢であり続けます。一方、新しいDesktop版は、オープンソースとプライバシーを核とし、ユーザーフレンドリーで統一されたプラットフォームを提供することで、将来的にClassic版からの移行先として有力になることを目指しています。 | |||
Collaboraでは、この新しいデスクトップバージョンの改善とロードマップ策定のため、ユーザーやパートナーからのテスト参加とフィードバックを歓迎しています。Javascript、CSS、C++、テスト、翻訳、ドキュメント作成のスキルを持つ方々の貢献が、すべての人にとってオープンでプライバシーを尊重したオフィススイートの構築に役立ちます。 | |||
詳細情報はこちらのブログ記事をご覧ください:https://www.collaboraonline.com/blog/collabora-online-now-available-on-desktop/ | |||
Latest revision as of 09:01, 7 December 2025

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Collabora Officeのプロダクト戦略転換

Collabora社が、オフィスソフトのユーザー体験を大きく変える新しいデスクトップ版「Collabora Office for desktop」を発表しました。これは、同社の主力製品である「Collabora Online」のインターフェースと機能をそのままローカル環境(Windows、macOS、Linux)に持ち込んだもので、オンラインとデスクトップ環境で一貫した操作性を実現します。
この新バージョンの導入は、Collaboraの製品ラインにおける大きな一歩です。従来からのローカルインストール版、すなわち「オフライン」で利用されてきたLibreOfficeに似たバージョンは、今後「Collabora Office Classic」として提供が続けられます。
オンラインとデスクトップの体験を統合
新しいCollabora Office for desktopの最大の売りは、Collabora Onlineと完全に同じルック&フィールを提供し、作業環境を問わず一貫した体験を保証することです。Web上での編集も、デスクトップでのオフライン作業も、機能や操作方法に違いはほとんどありません。
この一貫性は、全プラットフォームで共通のコードベースを使用することで実現されています。HTML、JavaScript、CSS、WebGL、CanvasといったWeb技術を基盤とし、それらをOSのネイティブブラウザエンジンで描画する仕組みです。これにより、視覚的な統一が図れるだけでなく、ユーザーはオンラインとオフラインの切り替え時に、別の操作を覚え直す必要や機能の違いを気にする煩わしさから解放されます。
技術的土台:Web技術 vs. LibreOfficeコア
新デスクトップ版とClassic版は、ともにLibreOfficeの技術を中核に据えていますが、ユーザー体験や技術的な裏付けには明確な違いがあります。
Collabora Office Classic:エンタープライズの信頼を支える伝統的な選択肢
Collabora Office Classicは、従来のLibreOfficeエンジンとVCLベースのインターフェースを採用しており、長年のユーザーにはおなじみの操作感です。このバージョンには、Javaが必要なBaseデータベース機能や、BASIC、Python、UNOスクリプトなど、包括的なマクロサポートが含まれます。
Classic版は、企業やプロフェッショナルな環境向けに最適化されており、長期サポート(LTS)が提供されます。特に、大規模なスプレッドシート計算や高度なマクロ編集といった複雑で負荷の高いタスクに必要とされるフル機能を備えており、豊富な設定オプションとメニューを持つことから、専門的な用途で信頼されています。
Collabora Office Desktop:シンプルさと起動速度を追求した代替案

一方で、新しいCollabora Office Desktopは、Javaへの依存を意図的に排除しています。その結果、インストールがよりクリーンで軽量になり、起動速度も向上しました。インターフェースはモダンで洗練され、タブ構造や直感的なツールバーなど、よく利用される機能に焦点を当てた、見つけやすいUI要素で構成されています。
この新デスクトップ版では、初期段階として、Baseデータベースやマクロの作成・編集ツールなど、一部のレガシー機能は搭載されていません。ただし、既存のマクロの実行はサポートされており、これまでのドキュメントワークフローとの後方互換性は保たれています。この製品は、MicrosoftのOOXMLやODF(Open Document Format)といった主要な文書規格との互換性を維持しつつ、高速かつ安定、プライバシーを尊重したオフライン利用を求める一般ユーザーに適しています。
| 項目 | Collabora Office Desktop (新規) | Collabora Office Classic (従来) |
|---|---|---|
| ユーザーインターフェース | Web技術を利用したモダンで統一的なデザイン | VCLベースの伝統的なUI、カスタマイズ性が高い |
| Java依存 | なし(導入が容易で軽快) | あり(一部高度な機能で必要) |
| インストール | 軽量で自己完結型。アップデートサイクルが速い | フル機能で、設定・構成オプションが豊富 |
| マクロ機能 | 作成・編集機能は非搭載だが、既存マクロの実行は可能 | 完全なマクロ編集・作成、高度なスクリプト機能を提供 |
| 主要ターゲット | オンラインとの統一性、プライバシー重視の一般・ビジネスユーザー | パワーユーザー、企業、フル機能と高度な設定を求める層 |
プライバシー、オープンソース、データ主権へのこだわり
両製品に共通するのは、プライバシーとデータ主権を最優先する姿勢です。新しいデスクトップ版はオフライン・ファースト設計を採用しており、ドキュメントはユーザーが明示的に共有しない限り、デバイスから外に出ることはありません。完全なオープンソースであるため、隠されたスパイウェアの心配がなく、データのコントロールを重視するユーザーを支援します。
ロードマップと将来的な展望
Collabora Office Desktopは、まだ開発の初期段階(アーリーステップ)にあり、現在はコミュニティ評価版として、Windows、macOS(ARMのみ)、Linux(Flatpak経由のx86_64)で提供されています。本格的なエンタープライズサポートは、製品の成熟に合わせて今後計画されています。
Collabora社は、ウェブ版とデスクトップ版のアップデートを同期させ、バグ修正や機能改善が全てのユーザーに並行して届くことを目指しています。
同社は引き続き、二製品体制を維持する方針です。Collabora Office Classicは、重負荷のタスクや専門的な要件を持つユーザー向けの信頼できる選択肢であり続けます。一方、新しいDesktop版は、オープンソースとプライバシーを核とし、ユーザーフレンドリーで統一されたプラットフォームを提供することで、将来的にClassic版からの移行先として有力になることを目指しています。
Collaboraでは、この新しいデスクトップバージョンの改善とロードマップ策定のため、ユーザーやパートナーからのテスト参加とフィードバックを歓迎しています。Javascript、CSS、C++、テスト、翻訳、ドキュメント作成のスキルを持つ方々の貢献が、すべての人にとってオープンでプライバシーを尊重したオフィススイートの構築に役立ちます。
詳細情報はこちらのブログ記事をご覧ください:https://www.collaboraonline.com/blog/collabora-online-now-available-on-desktop/